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トッキー
2022.12.31 09:50新刊情報

2023年も、頼りになるのはよしりん先生の思考力!

京都大学名誉教授の佐伯啓思氏といえば、よしりん先生が『戦争論』をめぐって西部邁氏、福田和也氏と共に『国家と戦争』という本を刊行したのをはじめ、その後も親米ポチ保守とは一線を画す論調で、私も敬意をもって見てきました。

それだけに、現在発売中の週刊新潮1月5・12日合併号の、日本大学教授・先崎彰容氏との対談の発言には唖然としました。

「もちろん、ロシアによる戦争は国際法違反であり、人道の面から見ても大暴挙です。しかしながら、ロシアが直面していた西洋的な近代化に対する苛立ち、違和感というものについても冷静に分析すべきでしょう。」

たったこれだけの発言で、完全に論旨が矛盾して破綻しつくしていることに、なぜ気が付かないのでしょうか?

「国際法」も「人道主義」も、近代西洋の価値観です。
佐伯氏はこの西洋近代主義の価値観に立って、ロシアの戦争を「大暴挙」と断じています。
それなのに、それに続けて、その「西洋的近代化」を否定するロシアの立場も考えるべきだというのです。
いやいや、ロシアは「国際法」も「人道」も「西洋的近代化」の産物として否定しているんですよ?
ロシアの立場を「冷静に分析」したら、ロシアが国際法も人道も踏みにじるのは当然であり、「大暴挙」とはいえないということになりませんか?

佐伯氏は、こう言っています。
「サミュエル・ハンチントンの『文明の衝突』(1996年)が現実化し、西洋型の歴史観に納得できない国や人たちが、自分たちの文化的アイデンティティ、基層文化とでもいうべきものに回帰する動きが起きているわけです」

これは、イラク戦争以降の中東情勢については全く正しかったことです。
アメリカは中東でも西洋的近代化ができると信じて戦争を起こし、失敗しました。

しかし、これと同じことを、ウクライナ侵攻をしたロシアにそのまま当てはめることはできないのです!
アメリカはロシアに対して「西洋的近代化」を押し付けたわけではありません。
ただ、ロシアの「文化的アイデンティティ」が徹底的に野蛮な侵略主義であり、それが暴発したのです!!

残念ながら、佐伯氏はイラク戦争で思考が停止してしまったようです。
どんな人でも年取ると思考が固まるのでしょうか?

イラク戦争とウクライナ戦争は全く違うということに気づかず、前例踏襲の反米主義で親ロシアになってしまい、判断を誤った知識人がどれだけいたことか!

そう考えると、佐伯氏と4歳しか変わらないよしりん先生の思考の柔軟さはすごい!
よしりん先生は、イラク戦争の時は佐伯氏と同様に近代西洋主義の限界を主張しましたが、ウクライナ戦争では、近代西洋主義の産物である国際法による秩序を守らなければ、世界は弱肉強食の時代に戻ると即座に判断したのです。
これが常にその時その場に応じてバランスをとるという思考であり、それがいかに難しいことなのかということも目の当たりにしました。

2023年も、前例踏襲では絶対に本質がわからない予想外の出来事が起こるでしょう。
やっぱりその時頼りになるのは、常に白紙からものを考え、その時その場に応じてバランスをとる、よしりん先生の思考力でしょう!

来年もどうぞよろしくお願いします!

そしてこのお正月には、よしりん先生の本を読みましょう!!

 

 

 

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トッキー

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